くつな石は、奈良県高市郡明日香村の奇石。石舞台古墳から更に登った位置にある。
その昔、巨大な石を見つけた石屋が切り出そうとして、鑿(ノミ)で打つと、石の割れ目から赤い血が流れ出し、傷ついた白い蛇が現れた。それを見た石屋が驚き逃げ帰ると、その夜から高熱にうなされ、亡くなってしまった。これを聞いた村人達が、「くつな(蛇)」の祟りと恐れ、それ以来、神の宿る石として祀られるようになったという。
地元では七月二十一日を「弁天さんの夏祭」とし、お神酒をはじめ、種々の品々を神前に供え、般若心経を唱えてお祀りをしていた。
奈良県高市郡明日香村