狭井神社は、奈良県桜井市三輪の狭井川の畔にある大神神社の摂社。正式には「狭井坐大神荒魂神社(さいにいますおおみわあらみたまじんじゃ)」。
社伝によれば、創祀は垂仁天皇の時代とされている。大神荒魂神(おおみわのあらみたまのかみ)を主神として祀り、大物主神、姫蹈鞴五十鈴姫命、勢夜多多良姫命および事代主神を配祀している。荒魂(あらみたま)とは、荒ぶるような猛々しい働きをもって現れる霊魂のことである。戦時や災時などにあたって現れ、祭祀(さいし)を受けることによって和魂(にぎみたま)の性質に変わる。
境内の「薬井戸(くすりいど)」から、「薬水(くすりみず)」と呼ばれる御神水が湧く。薬井戸の近くには御神水を使った「水琴窟(すいきんくつ)」もある。
また狭井神社は、鎮花祭(はなしずめまつり)が行われる神社として知られ、「花鎮社」とも言われている。鎮花祭りは、俗に「くすりまつり」ともいい、毎年4月18日に大神神社とこの狭井神社で執り行われる重要な祭り。崇神天皇のとき、全国に疫病が流行したが、大田田根子を召して祭神の大物主神を祭ったところ疫病が止んだことに由来する。
奈良県桜井市三輪21