高千穂神社(たかちほじんじゃ)は、宮崎県西臼杵郡高千穂町にある神社である.
主祭神は一之御殿(いちのごてん)の高千穂皇神(たかちほすめがみ)と二之御殿の十社大明神。
高千穂皇神は皇祖神とその配偶神の総称で、十社大明神は神武天皇の皇兄、三毛入野命(みけぬのみこと)とその妻子神9柱の総称とされる。
古来「十社大明神」や「十社宮」などと称されて来たが、明治4年(1871年)に「三田井神社」と改称、更に同28年(1895年)高千穂神社に改称した。
高千穂は日向三代の宮である高千穂宮が置かれた地と伝えられるが、天孫降臨伝承と在地固有の信仰が融合し、更に熊野修験も加わるなど複雑な信仰を包含する。また、古来より当神社の春祭りに対して槵触神社では秋祭りを行うなど、同神社とは密接な関係を持つものでもあった。
4月16日に例祭が行われる。
11月22-23日には「神話の高千穂夜神楽まつり」が催される。夜を徹して高千穂の夜神楽全33番(重要無形民俗文化財)が奉納される。ちなみに境内の神楽殿では、年間を通じて33番の中から「手力雄(たぢからお)」・「鈿女(うずめ)」・「戸取(ととり)」・「御神体(ごしんたい)」の4番が、観光用に実演されている。
旧暦12月3日には猪掛祭(ししかけまつり)が催される。鬼神鬼八の慰霊のために始められたもので、かつては16歳になる生娘を生贄として捧げていたが、天正年間(1573-93年)に三田井氏の家臣甲斐宗摂がこれを悪習と嘆き、高城山で巻狩を行って獲た16頭の猪(しし)を代わりに捧げ、以後「鬼餌の狩」と称する狩りで獲た猪を捧げるようになったと伝える。当日は町内3箇所の鬼八塚に氏子等が供物をするなどの慰霊祭を行った後、社頭で笹振り神事を行う。笹振り神事は神前に1頭の猪を丸ごと献饌し、鬼八の魂を鎮める「鬼八眠らせ歌」を歌いながら笹を左右に振る「笹振り神楽」を舞う。これによって鬼八は神へと昇華し、霜害を防ぐ「霜宮」に転生するという。なお、「笹振り神楽」は一に「地祇(ちぎ)の舞」とも呼ばれ、高千穂神楽の祖型であるとされている。
本殿東後方にある「鎮石(しずめいし)」がパワースポットと言われている。垂仁天皇の勅命による社殿創建に際して用いられた古石と伝え、この石に祈ると個人の悩みから世の乱れまでの一切が鎮められるという。因みに当神社では、茨城県鹿嶋市の鹿島神宮に伝わる「要石(かなめいし)」は同神宮の社殿造営に際して当神社より贈られたものと伝えている。
宮崎県西臼杵郡高千穂町
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