東大寺二月堂は奈良県奈良市の東大寺にある、奈良時代(8世紀)創建の仏堂。現存する建物は1669年の再建で、日本の国宝に指定されている。
奈良の早春の風物詩である「お水取り」の行事が行われる建物として知られる。「お水取り」は正式には修二会(しゅにえ)といい、大仏開眼の752年、良弁の弟子である実忠(じっちゅう)によって創始された。現在に至るまで1200年以上もの間、一度も途絶えたことがなく、「不退の行法」といわれる。
本尊は大小2体の十一面観音で、1体は内陣中央に安置され、「大観音」(おおがんのん)と呼ばれ、もう1体は厨子に納められ、通常は大観音の手前に安置されているもので、「小観音」(こがんのん)と称される。大観音・小観音ともに絶対の秘仏で、修二会の法要を務める練行衆さえもその姿を見ることは許されない。
近くの三月堂(法華堂)には不空羂索観音立像が、四月堂(三昧堂)には千手観音立像がそれぞれ安置されており、二月堂周辺の「上院」と言われるエリアは観音様のパワースポットとなっている。
奈良県奈良市雑司町