恵山(えさん)とは、恵山道立自然公園に指定された北海道函館市の活火山。渡島半島の東南端で太平洋に突き出すように位置する。 標高618mで三等三角点(点名「恵山」)が設置されている。
かつて溶岩ドームが山体崩壊を起こしたことがあり、北西斜面が大きくえぐれて馬蹄型の崩壊地形を形成している。崩壊壁内部では現在も噴気が見られ、気象庁札幌管区気象台火山監視・情報センターが地震計を設置し、観測を行っている。
噴気や地熱などの影響により、山腹中部から上部では植生が乏しく、赤茶けた火山の地肌が露出しており異観を放っている。こうした地質学的な景観などの評価から、周囲は恵山道立自然公園に指定されている。海岸線に沿って走る国道278号は、恵山の西側を迂回しており、周回路として補完する道道231号、道道635号は山腹東側の急峻な海食崖により分断されている。
乏しい植生や脆弱な斜面という条件により、渓流部における土砂の生産、流出は極めて活発である。旧恵山町側の各渓流では、土砂災害を防止するための砂防工事や治山工事が盛んに行われている。
北海道函館市御崎町