東光寺(とうこうじ)は和歌山県田辺市の湯の峰温泉にある天台宗の寺院。山号は薬王山。
伝承によれば、湯の峰温泉の源泉の周囲に湯の花が自然に積って薬師如来の形となったものを裸形上人が見出し、本尊(湯峯薬師)として創建したという。古くは本尊の胸から温泉が噴出していたため、湯の胸温泉と呼ばれていたものが転訛して現在の湯の峰温泉の名になったとされている。
東光寺本堂(薬師堂)は、その性質上、移動させることの出来ない本尊の覆屋となっており、その内部に設けられた厨子も本尊を囲むように構築されている。日光月光菩薩扉絵は、焼失以前の旧厨子のものと伝えられている。画風は近世仏画に通じる特徴があり、室町時代末期(16世紀末)頃と考えられている。県指定有形文化財。なお、日輪中には熊野にちなんでか、三本足の烏(八咫烏)が象られている。
東光寺の上、湯の峰王子の社地の奥にある不動滝は、伝承によれば裸形上人の苦行の場であるという。滝の左岸には金毘羅の小祠がある。
和歌山県田辺市本宮町湯峯