不退寺 (ふたいじ)は、奈良市法蓮町にある真言律宗の寺院。本尊は聖観音 聖観世音菩薩。仁明天皇の勅願を受け、在原業平が開基したとの由緒から「業平寺」とも呼ばれる。山号は金龍山。
奈良市街北部に位置し、南方を関西本線が斜めによぎる。境内には四季折々、レンギョウ、ツバキ 椿、カキツバタ、キク 菊などが咲き乱れ、晩秋にはカエデ 紅葉、ナンテンなどが見られる。
寺伝によれば、大同4年(809年)、平城天皇が譲位してのち隠棲し「萱の御所」と称したのが始まりとされ、その後平城天皇の皇子である阿保親王、更に阿保親王の5男である在原業平が暮らしたという。伊勢神宮参詣時に受けた神勅を機に、業平が自ら聖観音像を刻み、「不退転法輪寺」と号して阿保親王の菩提を弔ったのが、寺院としての始まりと伝えられている。
奈良県奈良市法蓮東垣内町517