聖護院(しょうごいん)は京都府京都市左京区聖護院中町にある本山修験宗総本山の寺院。同宗派設立以前は天台宗に属した。山号はなし。開基(創立者)は増誉、本尊は不動明王である。
日本の修験道の中心寺院の1つ。近世以降、修験道は江戸幕府の政策もあって「本山派」「当山派」の2つに分かれたが、聖護院はこのうちの本山派の中心寺院であった。また、代々法親王(皇族男子で、出家後に親王宣下を受けた者)が入寺する門跡寺院として高い格式を誇った。江戸時代後期には2度にわたり仮皇居となったこともある。当寺の開基は園城寺の僧・増誉である。増誉は1090年(寛治4年)、白河天皇 白河上皇の熊野詣の先達(案内役)を務めた。この功により増誉は初代の熊野三山検校(熊野三山霊場の統括責任者)に任じられ、役小角 役行者(修験道の開祖とされる伝説的人物)が創建したとされる常光寺を下賜された。これが聖護院の創建である。寺名は「聖体護持」の意である。熊野三山検校の地位はその後園城寺が引き継いでいたが、室町時代中期からは聖護院が務めるようになった。
京都府京都市左京区聖護院西町1