根来寺(ねごろじ)は和歌山県岩出市にある新義真言宗総本山の寺院。山号を一乗山と称し、詳しくは一乗山大伝法院根来寺と号する。本尊は大日如来、開山は高野山の僧で空海以来の学僧と言われた覚鑁(かくばん、興教大師)である。
国宝の大塔(多宝大塔)は、高さ40メートル、幅15メートルの日本最大の多宝塔。「多宝塔」とは二層一階建ての塔で、通例、初層(裳階)の平面が方形、上層が円形に造られる。この塔も、初層の外見は方形だが、初層内部には円形の内陣が造られており、円筒形の塔身の周囲に庇を付した、多宝塔本来の形式をとどめている。内部には12本の柱が円形に立ち、そのなかに四天柱が立っている。解体修理の際に部材から発見された墨書により、文明12年(1480年)頃から建築が始まり、半世紀以上経た天文16年(1547年)頃に竣工したと考えられている。また、基部には秀吉に攻められた際の火縄銃の弾痕が残されている。
大塔とともに秀吉の焼き討ちをまぬがれた大師堂が、国指定重要文化財に指定されている。本尊の造立銘から明徳2年(1391年)頃の建立と推定されている。
和歌山県岩出市根来2286