楽寿園(らくじゅえん)は、静岡県三島市が運営する公園。面積約71,850平方メートル。小浜池(こはまがいけ)と周囲の自然林・植生を含む庭園が1954年(昭和29年)国の天然記念物および名勝に指定されている。
1890年(明治23年)、小松宮彰仁親王の別邸として、楽寿園の中に「楽寿館」が造営される。彰仁の没後、1911年(明治44年)に韓国王世子李垠の別邸となり、昌徳宮と呼ばれた。1927年(昭和2年)、伊豆出身の資産家・緒明圭造へ売却。1952年(昭和27年)に三島市が購入し、市立公園として一般公開された。現在、小さな遊園地と動物園が併設されている。
小浜池は、楽寿園の敷地内南側にある大きな湧水によって形成される池。蓮沼川(宮さんの川)と源兵衛川の起点となっている。かつては三島湧水群を代表する水量を誇ったが、昭和37年頃から、湧水の枯渇が続いており、工業用水の汲み揚げとの関係が指摘されている。ミシマバイカモ(Ranunculus nipponicus var. japonicus)は1930年(昭和5年)に中井猛之進によりこの小浜池にて発見された。1950年代中頃、渇水や水質の悪化により一度は絶滅したと考えられたが、柿田川で再発見され楽寿園に移植された。
静岡県三島市泉町