神倉神社(かみくらじんじゃ、かんのくらじんじゃ)は和歌山県新宮市の神社。熊野三山の一山である熊野速玉大社の摂社。神域である神倉山は和歌山県指定文化財(史跡)。
神倉神社は、熊野速玉大社の摂社である。新宮市中心市街地北西部にある千穂ヶ峯の支ピーク、神倉山(かんのくらやま、かみくらさん、標高120メートル)に鎮座し、境内外縁はただちに断崖絶壁になっている。山上へは、源頼朝が寄進したと伝えられる、急勾配の鎌倉積み石段(神倉山の石段)538段を登らなければならない。
山上にはゴトビキ岩(「琴引岩」とも。ゴトビキとはヒキガエルをあらわす新宮の方言)と呼ばれる巨岩がご神体として祀られている。この岩の根元を支える袈裟岩と言われる岩の周辺には経塚が発見されており、平安時代の経筒が多数発掘され、そのさらに下層からは銅鐸片や滑石製模造品が出土していることから、神倉神社の起源は磐座信仰から発したと考えられている。
神倉神社入口にかかる太鼓橋の傍らに立つ標石は「下馬」標石と言われ、高さ1.59メートル、幅43センチメートル、厚さ17センチ、同じ材質で地上高26センチメートル、幅80センチメートルの台石上に立っている。刻銘によれば、奥州は南部志和郡の人物が、子孫繁栄を祈念して熊野参詣7度を達成したことを記念したものとあり、奥州の熊野信仰を今日に伝えている。
その他、神倉神社の手水鉢などの有形民俗文化財がある。
和歌山県新宮市磐盾1-13-8
風 成長、拡大、自由を表します