円通寺(えんつうじ)は京都市左京区岩倉幡枝町にある臨済宗妙心寺派の仏教寺院。山号は大悲山。聖観音を本尊とする。
枯山水式の庭園「円通寺庭園」で国の名勝に指定されている。苔を主体に刈込みと石を配し、大小40余りの庭石は上皇となった後水尾天皇が自ら配したといわれる。また、刈込みと立木の背後に望む比叡山を借景としており、上皇は最も比叡山の眺望に優れた地を求めて、この幡枝に山荘を設けたといわれている。
元は後水尾天皇の山荘であった幡枝御殿であり、枯山水庭園もその頃に造営されたものである。修学院離宮の造営に伴い、幡枝山荘は近衛家に譲渡された。後の延宝6年(1678年)、霊元天皇の乳母であった円光院文英尼が開基となって寺に改め、皇室の祈願所となった。妙心寺10世の景川宗隆を勧請開山としている。
京都府京都市左京区岩倉幡枝町389