美郷不動尊は、北海道上川郡美瑛町にある神社。湧水で知られる。
昭和初期に美瑛市街地で若松屋を経営していた若松氏が、美沢地区での温泉経営を企画し、馬車で不動尊を美沢に運び、安置した。しかし、国有地および軍用地であったため、営業許可が下りず、後継者もないまま不動尊は長年風雪にさらされ、豪雨や洪水で土砂に埋もれ、所在がわからなくなっていた。
しかし、1948年(昭和23年)ごろ、美瑛町南町在住の山道とも子氏が「美沢25線から27線の間に不動明王が土砂に埋もれている。助けてくれ。」という夢を何度も見たため、あまりに不思議に思った山道一家は、その地を数年間に渡って捜し回っていた。
1952年(昭和27年)初夏、突然の雷雨に親子三人が途方に暮れ、木陰で休んでいたところ、巨大なカツラの古木から清水が湧き出していたという。そこから不動明王が掘り出され、当地に安置した。1991年(平成3年)9月、初めて祭りを行い、「美郷不動尊」と命名し、現在に至っている。
北海道上川郡美瑛町