道成寺(どうじょうじ)は、和歌山県日高郡日高川町にある天台宗の寺院。新西国三十三箇所観音霊場の第五番札所である。
道成寺創建にまつわる「髪長姫伝説」(「宮子姫伝記」)や、能、歌舞伎、浄瑠璃の演目として名高い、「安珍・清姫伝説」で知られる。この伝説は、平安時代中期に編纂された『大日本国法華験記』にすでに見える古い話である。
拝観の際には縁起堂で「安珍清姫」の絵巻物を見せながらの絵説き説法が行われる。
「髪長姫伝説」では、髪の生えない娘が観音様から授かった美しい黒髪のおかげで、お妃に選ばれる。後に聖武天皇となる皇子を出産するが、宮子姫は皇子と引き離されてしまい、悲しみにくれて引きこもってしまう。その後、僧による治療によって回復し、37年ぶりに天皇となった皇子と再会した姫は、長寿の生涯を全うする、というもの。ここから、女性の良縁と開運を祈る寺とされる。
和歌山県日高郡日高川町鐘巻1738