蓮華寺(れんげじ)は京都市左京区にある天台宗の寺院。山号は帰命山(きみょうざん)。近世初期に造営された池泉鑑賞式庭園によって知られる。
創建は1057(天喜5)年。当初は広沢池近くにあったが、音戸山山腹への移転を経て、昭和に入ってから、現在地に再建された。境内の石仏群は京都屈指のものとして知られている。
庭園の奥には水量の豊かな湧水があり、それを導いた池が庭園の中心にある。池は「水」の字の形に作られており、「水字形」と呼ばれるものである。池の右手前には舟石(ふないし)と呼ばれる石が配されている。舟石を置く庭園は稀少であるが、とりわけ蓮華寺の舟石は入舟の形をしている点でさらに珍しいものとなっている。
舟石を置く庭園のほとんどでは、出舟の形があしらわれている。出舟とは、向こう岸に理想郷(浄土)を見出し、彼岸を想念させるものである。それに対し、入舟は浄土を此岸に見出す思想を表すものである。
池の左前方には亀島と鶴石がある。大ぶりな岩石で組まれた亀島には、唐人帽丸形と呼ばれる石灯籠が据えられ、石橋で岸と繋げられている。その側面によりそうように立てられた立石によって鶴の姿があらわすのが、鶴石である。
京都府京都市右京区御室大内20
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