最乗寺(さいじょうじ)は、神奈川県南足柄市にある曹洞宗の寺院。山号は大雄山(だいゆうざん)。
応永8年(1401年)峨山五哲である通幻寂霊門下の了庵慧明によって開山され、東国における通幻派の拠点となる。通幻門下は各地で公共事業を行い民心をつかむが、最乗寺にもこの地で土木工事を行ったという了庵法嗣の妙覚道了(道了尊)が祀られている。
天狗の高下駄「御真殿の高下駄」で知られる。高下駄が左右一対そろって役割をなすことから夫婦和合の信仰が生まれた。
最大のパワースポットという御真殿をはじめ、本尊が祭られている護国殿、金運の御利益があるという三面殿、身を賭して万人の幸福を願った尼が祭られている女性向けのスポット慧春尼堂(えしゅんにどう)などがある。
風水的には、もともと富士山龍脈が通っていた場所だという。大山阿夫利神社から最乗寺、明神ヶ岳、箱根山そして芦ノ湖へと東北から南西へと一直線に結ぶレイラインがあり、大きな気の通り道となっている。
杉木立の参道を抜け、山門をくぐってすぐのところに「坐禅岩」があり、次のような言い伝えがある。
明徳年間、了庵慧明禅師が曽我の竺土庵(ちくどあん)に閑居の時、一羽の鷲が禅師の袈裟をつかんで飛び去り、山中の大松の梢に掛けた。禅師は袈裟を探して山中に入り、ついにこれを見つけ、大松の近くの坐禅石上に端坐すると、袈裟は梢から離れて禅師の肩にかかった。この奇瑞によりこの地を佛法興隆の処と定めて、大雄山の開山を発願したという。
霊感の高い人が岩の上で手をかざすと、赤くなってくるという。また、この袈裟掛けの松は、天狗の小径の途中にある。
また本堂の先、左手にある金剛水堂に湧く「金剛水」は霊泉として知られており、禅師が指示をした場所からこんこんとわき出てきたと伝えられている。
奥の院周辺からさらに左に登ったあたりにもパワーの源があるという。
神奈川県足柄市大雄町1157
空 天空(そら)のことであり、また、仏教の思想の空のことでもあります