「戸隠(とがくし)」の名は、「天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、高天ヶ原の天の岩戸に隠れたとき、天手力雄命(たじからをのみこと)が、その岩戸をここまで投げ飛ばし、世に光を取り戻した。」との伝説による。廃仏毀釈までは聖観音菩薩を祀っていた。
中腹には戸隠神社(奥社)がある。同じく修験道場として有名な飯縄山は東南東へ直線で約10kmほどの場所にある。また、北方約 4kmには高妻山がある。
古くから修験道場や戸隠流忍者の里とされ、周辺は蕎麦(そば)の名産地として知られる。
戸隠山は鬼女紅葉の伝説としても名高い。紅葉伝説(もみじでんせつ)とは、信州戸隠、鬼無里(現・長野県長野市)に伝わる鬼女にまつわる次のような伝説である。
承平二年、奥州の会津に生まれた少女呉羽は、子の無かった夫婦が魔王に願って生まれたためか、輝く美貌と才知に恵まれて育った。やがて紅葉と名を改めた彼女は、両親と共に京の都に上り、美しい琴の名手として都中の評判になり、源経基の寵愛を受けるようになった。しかし紅葉は、正妻を呪術で除こうとして事が露見し、信州・戸隠山へ流されてしまう。それでも都への想いが断ち難く、配下を集めて力を貯える。これを聞いた朝廷では、平維茂を追討にさし向けますが、住み家も分からず、神に祈って矢を放った維茂は落ちた方角に進んだ。待ち構えた紅葉たちは、美しく装って毒の酒をすすめたところを維茂に見破られ、鬼女の正体を現した所を討たれて果てた。
長野県長野市