玉置神社(たまきじんじゃ)は、奈良県吉野郡にある神社。大峰山系の霊山の一つである玉置山の山頂直下の9合目に位置し、大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)の靡(行所)のひとつである。大峯奥駈道とは、吉野と熊野を結ぶ大峯山を縦走する、修験道の修行の道。
玉置神社の聖域である玉置山は、山頂を除く標高1000メートルから1040メートルにかけて枕状溶岩堆積地があり、海底火山の噴火により玄武岩質の溶岩が水中に噴出して急速に冷却・固化したことにより生じた、不規則な楕円状または曲がった丸太状の形状をした溶岩が一帯に露頭している。こうした溶岩性の地質により、玉置山の標高800メートル以上の植生はブナ林帯であるにかかわらず、山頂付近のみはスギ、ヒノキ、モミ、ツガなどの針葉樹と、ブナ、ミズナラ、アカシデといった落葉広葉樹が混在する植生を示している。そして、こうした地質と特異な植生からなる景観こそが、玉置山を霊地とし、宿を成立せしめた根元であると考えられている。
玉置山山頂の南側斜面には枕状溶岩の顕著な露頭が見られ、場所によっては枕状溶岩が重なり合って「玉木」あるいは「玉置(玉を重ねて置いた)」ように見える箇所があり、宿や山の名の由来と解される。また、露頭の西端にある乳岩と呼ばれる巌には、鳥居のみを設けて白山権現を祀る白山社の磐座となっており、玉置山における磐座信仰の古い形を伝えるものである。反対側の東端の支尾根には峯中路が走り、その途中に玉石社と呼ばれる地主神の祭壇が設けられている。聖域の根本的な要素である枕状溶岩露頭を峯中路から拝礼しようとする場合、玉石社の祭壇は適所であることから、本来は拝所であったと見ることができる。
玉置山周辺で、峯中路から外れているにもかかわらず、大峯奥駈行における拝礼が続けられている宝冠の森(ほうかんのもり)という行所がある。宝冠の森の頂上一帯、すなわち人に犯されたことのない結界内の森林によって構成されたピークは、権現垂迹の聖地としての「杜」の様相を示している。
奈良県吉野郡 十津川村玉置川1
空 天空(そら)のことであり、また、仏教の思想の空のことでもあります
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