アビラ(Ávila)は、スペインの都市。カスティーリャ・イ・レオン州アビラ県の県都である。マドリードからは直線距離で西北西に約87kmの位置にある。
海抜1,117mの高さにあり、スペインの県都でもっとも標高が高い。荒れ野の中に唐突にそびえている岩山の平らな頂上に建てられている。岩山は茶色で乾燥した禿山で、大きな灰色の丸石がころがり、急峻な山地に囲まれている。このため気候は極端で、冬は厳しく長く、夏は短い。
アビラは「アビラ旧市街と市壁外の教会群」として、1985年に世界遺産に登録されている。アビラの市壁は茶色い花崗岩で作られており、上に胸壁が並んでいる。88の塔と9つの門があり、よく保存されているが、市街の多くは市壁の外に広がっている。
司教座が置かれたアビラでは、いくつもの教会建築が名所となっている。ゴシック建築のカテドラルは1107年に遡るとされるが、おそらくは13世紀から14世紀に建てられた。要塞のような外見を持ち、胸壁と2つの頑丈な塔がある。カテドラル内には多くの彫刻や絵画があり、1571年にフアン・デ・アルフェが制作した銀の聖体容器のそばに置かれている。
サン・ビセンテ、サン・ペドロ、サン・トマス、サン・セグンドの各教会のおもな特徴は15世紀のロマネスク様式だが、美しいサン・ビセンテ教会やサン・ペドロ教会の一部は12世紀に遡ると見られる。特に注目すべきはサン・トマス教会の大理石のモニュメントである。15世紀のフィレンツェの彫刻家ドメニコ・ファンチェッリによるもので、フェルナンド2世とイサベル1世の一人息子であるフアンの墓の上にある。
アビラにはイスラム教徒による城(アルカサル)もあり、軍の宿営地、孤児院、病院、軍学校、師範学校などに使われてきた。1482年から1807年には大学も置かれていた。
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