大直禰子神社は愛知県名古屋市中区大須4-11-20の神社。
昔、名古屋城の城南辺りに毛並みがよく、誰からも誉められる美しい猫がいた。中国の偉い人が飼っている立派な猫に似ていたので、お唐猫と呼ばれていた。しかし、お唐猫の身体はだんだんと大きくなり、遂には牛や馬ほどの大きさになってしまった。誰もが気味悪がり、お唐猫に近づかなくなった。お唐猫は人気のない前津の荒れた祠に暮らすようになった。
ある時、お唐猫の背中に小さな木が生え、さらに木の下には草まで生えてきた。背中の木は生えてきた時のままの大きさで、大きくもならず、小さくもならなかった。
お唐猫は池に写った自分おぞましい姿を見て池に飛び込もうと思ったが、その時、今までお唐猫と呼ばれ得意になっていたことに神様がお怒りになったのだと気づいた。お唐猫は何日も泣き続け、涙が枯れ果てた時、自分の運命を受け入れて生きていくことにした。
その時からお唐猫は雨が降り続いても、強い風が吹いても、洞の前から一歩も動かなくなった。
やがて、「お唐猫に願い事をすると、叶えてくれる」とい噂が広がり、人々はこぞって手を合わせて拝むようになった。
愛知県名古屋市中区大須4-11-20