棲雲寺(せいうんじ・栖雲寺)は、山梨県甲州市大和町木賊にある寺院。臨済宗建長寺派寺院で、山号は天目山、本尊は釈迦如来。創建時には護国禅寺と称した。
南北朝時代の貞和4年(1348年)業海本浄を開山として創建された。開基は甲斐国主の武田信満公で、往時は中部地方における幻住派の拠点として、また戦国の大雄武田家の菩提寺として繁栄した。勝頼公の敗北後は、織田家の兵火で殿堂を焼失したが、徳川家康が寺領を寄付した為に旧観を取り戻した。
県指定名勝の多くの巨岩からなる石庭がある。庭園の中には地蔵菩薩と文殊菩薩の磨崖仏があり、山梨県では唯一の磨崖仏で、いずれも県指定文化財。巨石には名前が付けられ百字石・鶴石・霊石泉・梵音洞・鯉魚石・須弥山・金剛窟・十六羅漢・三尊石・星座石群などがある。秋には庭園のみならず、周囲の山々まで見渡す限りの紅葉がみられる。この石庭がパワースポットだという。
木造普応国師坐像は国指定重要文化財。中峰明本(普応国師)の肖像彫刻。木造彩色。像高は82.5センチメートル。像内首枘に朱書の銘があり、文和癸巳年(文和2年・1353年)に、仏師法眼院広と法橋院遵によって造像されたことが判明する。院広と院遵は棲雲寺本尊の釈迦如来坐像の作者でもある。
山梨県甲州市大和町木賊122