馬耳山(マイサン、마이산)は韓国の全羅北道鎮安郡にある山。新羅時代にはソダ山、高麗時代には湧出山と呼ばれていた。各季節ごとに異なる名前でよばれ、春にはトッテ峰、夏には竜角峰、秋には馬耳峰、冬には文筆峰と呼ばれる。ニョッキリ突き出た二つの岩山から成る。
伝説によると、二人の仙人がここに下りてきて息子を生んで暮らしていたが、空に帰る時、集落の女に空に上るところを見られたために空に帰れなくなり、岩山になったという。
塔寺(タプサ、탑사)は馬耳山の南側の斜面にある寺院。李甲龍が積み上げた約80の石塔(パゴダ)で知られる。ほとんどが円錐形で、様々な大きさがあるが、大雄殿の後方の天地塔が一番大きく、15mほどもある。風水スポットとも言われている。
この石の塔は、1800年代後半に李甲龍が三十年以上をかけ一人で積み上げた。李甲龍は昼間は石を集めて夜に積み上げたという。どんなに突風が吹いても絶対に倒れたことがないと言われている。
馬耳山には他に銀水寺(ウンスサ)がある。朝鮮時代初期に上院寺、後期に正明庵と名を変えたが、後に崩れ落ち廃寺となっていたものを、1920年に再建した。大太鼓がひときわ目を引く。
また、壬辰倭乱(文禄慶長の役)、丙子胡乱(1636年の清軍との戦)で殉死した33名の忠臣を祀った李山廟(イサンミョ)がある。
韓国全羅北道鎮安郡