山王神社(さんのうじんじゃ)は、長崎県長崎市坂本に鎮座する神社。村社であった山王神社(日吉神社)と県社の皇大神宮(こうたいじんぐう)とが合併(皇大神宮側に合祀)して創祀された神社で、浦上皇大神宮(うらかみこうたいじんぐう)とも称され、また山王日吉神社(さんのうひよしじんじゃ)とも呼ばれる。
長崎市への原子爆弾投下において鎮座地が爆心地から約800メートルの地点に位置した為に被爆し、その跡を残す一本柱鳥居がある。地元では「片足鳥居」という名称で浸透している。
山王神社の境内入口に南北に向かい合って立つ2本の楠は、「被爆楠」として知られる。南側は胸高幹周8.2メートル、北側は同6メートル程で樹高はともに10メートル前後、樹齢はそれぞれ500年から600年とみられる。
巨樹としてのほか原爆生き残りの樹木としての意義も深いと昭和44年に「山王神社の大クス」として長崎市の天然記念物に指定され、境内を通る風で起こるその葉音も平成8年(1996年)に「山王神社被爆の楠の木」として環境省の「日本の音風景100選」に選ばれている。また、長崎原爆資料館や学生サークル、市民団体、地元小学校等がその種子から育てた「被爆クスノキ二世」を平和の象徴として国内外に贈る活動を行っている。
長崎県長崎市坂本2丁目5-6