命主社(いのちぬしのやしろ)は島根県出雲市にある出雲大社の摂社。正式な名称は「神魂伊能知奴志神社(かみむすびいのちぬしのかみのやしろ)」。神皇産霊神(かみむすびのかみ)が祀られている。巨岩の前に建てられており、古代の磐座(いわくら)が神社に発展した例である。
社の前には推定樹齢1000年といわれるムクの巨木がある。高さ17m、根本回り12m。昭和51年(1976)に島根の名樹に指定された。
寛文5年(1665)の出雲大社御造営にあたり、命主社の裏の大石を石材として切り出したところ、下から銅戈(どうか)と硬玉製勾玉(こうぎょくせいまがたま)が発見された。2つの遺物は、天孫系三種の神器のうち、剣と玉にあたり(あと1つは鏡)、これが出雲大社の近くから出土したこともあって昭和28年(1953)に重要文化財に指定された。出雲大社の宝物殿に展示されている。
島根県出雲市大社町杵築東