建鉾山は福島県白河市にある円錐形をした標高403mの小さな山。
古代、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が蝦夷征伐に赴く際、この山頂にあった岩に自らの鉾を立てて神に勝利を祈った。この岩は『建鉾石』と呼ばれており、傍には小さな石祠がある。ここから下ったところには高さ数十mの一大巨岩群があり、そこからさらに40m程下の一帯からは、5世紀中頃のものと推定される鉄製の武器や銅鏡、石製模造品の鏡・農具、勾玉や土器片などが出土している。
安政3年(1856年・江戸時代)に作られた地図によると、この出土場所は「御宝前」という名で区切られており、五穀豊穣や安全を祈願する巨石信仰の祭祀場とされていたらしい。
建鉾山祭祀遺跡は、東北最古・最大の遺跡といわれ市指定の史跡となっている。
福島県白河市表郷高木