偕楽園(かいらくえん)は、日本・茨城県水戸市にある日本庭園である。岡山市の後楽園や金沢市の兼六園と並んで、「日本三名園」の一つに数えられる。面積は合計300ヘクタールであり、都市公園としてはニューヨーク市のセントラルパークに次いで世界第2位の広さである。
偕楽園の正式な入り口である旧来の表門は、敷地の北西側に位置しており、この表門は黒塗りであることから「黒門」とも呼ばれている。表門から園内に入り、「一の木戸」と呼ばれる門を潜ると、偕楽園の西半分を構成するモウソウチク(孟宗竹)やスギ(杉)の鬱蒼した林の中を進む道が続いている。この道に沿って東へと進み、幾つかの門を経由して好文亭へと至ると風景が一転し、千波湖を一望する高台に位置する、明るく華やかな一面の梅林へと到着する。
好文亭付近には、偕楽園創設の趣旨を記した石碑「偕楽園記の碑」があり、自然界の陰と陽の調和についての説明がある。偕楽園は西半分に位置する杉や竹の林が陰の世界を、北東の梅林が陽の世界を表すことで、園全体で陰陽の世界を体現しているともいわれ、表門から入ってこそ園の設計に沿った、偕楽園本来の魅力を堪能することができるのだと解釈する説もある[9]。
一方、現代においては、表門は偕楽園駅や主要な駐車場から遠く離れており、この門から入園する観光客は少ない。現在は梅林へと直接通じる「東門」が主要な出入り口として利用されている。
茨城県水戸市常磐町