地蔵倉(じぞうくら)は、山形県最上郡大蔵村肘折温泉近郊にある、崖に穿たれた洞窟、またはそこに建立された地蔵尊である。
肘折温泉は、807年(大同2年)に、豊後国の出身で、諸国漫遊の旅に出ていた行者、源翁によって発見されたとされる。
それによると、出羽三山への道を探していて、迷い込んだ肘折の山中で、地蔵倉に住む、地蔵の化身である老僧(一説には小僧)に遭遇した。地蔵は、「岩山から落ちて肘が折れても、ここの湯に浸かるとたちどころに直る」と肘折温泉の存在を源翁に教えるとともに、「湯殿山参拝の後、この地に留まってこの地を守るように」と言って、湯殿山へ至る道へと導いたのだという。
源翁は、この地にとどまって地蔵倉に住みついたとされ、これが肘折温泉の興りとされる。
地蔵倉は、肘折温泉開湯の地として、地元の人々に大切にされている。
山形県最上郡大蔵村南山