地蔵鼻は、広島県尾道市因島にある岩。
美可崎城(地蔵鼻のそば)の城主が琴の修行のため船で都に向かう娘を関所破りの罪で捕まえたが、その娘の美しさや琴の音色に心を奪われ、自分に仕えるよう命じた。ところが周防に思いを寄せる人がいたため応じなかったところ、浜で切り捨てられた。その後、浜から琴の音が聞こえ始め、夜な夜な悩まされるようになったため、浜にあった自然石に地蔵尊を彫り手厚く供養したところ、亡霊に悩まされなくなったという。
その後、その話を聞いた周防の若者がその娘の後を追いこの海に身を投げた。その様子を見た地蔵はポロポロと涙を流しその涙は小石となり周りに散らばったと言われる。
海の潮が満ちると地蔵尊の下半分がつかることから、下の病気が治ると言われ、特に「子授け地蔵」として有名。参拝してお地蔵さんを一体持ち帰り、家で祈願すると子供を授かれるという。願いが叶ったら、新しいお地蔵さんを一体作って奉納する習わしとなっている。
広島県尾道市因島三庄町