漆山神社(うるしやまじんじゃ)は、新潟県村上市蒲萄(旧朝日村)の葡萄峠に鎮座する神社。地元では「矢葺明神(やぶきみょうじん)」と呼ばれる。蒲萄集落の手前から旧道を2.5キロメートルほど入った所にあるが、この小径はかつては越後と出羽を結ぶ要路であった。
社殿の後方には、10mを超える大きな岩「明神岩」が聳えている。
漆山神社には源義家にまつわる伝説がある。天喜4年(1056年)に前九年の役が起き、義家は蒲萄峠で敵と対峙した。苦戦の末勝利を収めたが、漆山神社の社前で休憩し、今回の奥州征伐で勝利できたら社殿を建立し、弓羽で屋根を葺くと祈願した。6年後、安倍貞任を平らげた帰途、祈願したとおりに社殿を作った。矢葺明神の名はこの逸話に由来する。
明神岩一帯の森林は社叢として残されてきたブナが多い自然林で、クサアジサイ、ニオイシダの自生地もあり、県の明神岩自然環境保全地域になっている。
新潟県村上市蒲萄