船上山(せんじょうさん)は鳥取県東伯郡琴浦町にある山で、大山山系の一つ。標高616メートル。なだらかな山容が船底の形に似ていることからこの名がある。
山頂と横手道の間には屏風岩と呼ばれる岩がある。屏風岩には千丈滝(雄滝・雌滝)という滝がある。屏風岩の南の勝田川には鱒返滝(ますがえしたき)という滝があり、その上流には一枚岩渓谷という渓谷がある。
船上山は山岳霊場として、和銅年間に赤衣上人か智積上人によって、智積寺として開基されたと伝えられる。智積寺は平安仏教の山岳霊場として多くの人々の信仰を集めた。南北朝時代の初めには、隠岐を脱出した後醍醐天皇を伯耆の豪族・名和長年が迎え、船上山に行宮を築いた。後醍醐天皇方の名和長年と鎌倉幕府方の佐々木清高との間で激しい戦いが繰り広げられた古戦場としても有名である。
山頂付近の蒲ヶ原には行宮碑がある。後醍醐天皇の行宮の所在地は不明であるが、船上山神社の奥宮近くではないかと考えられている。1932年(昭和7年)に国の史跡に指定された。
鳥取県東伯郡琴浦町