三囲神社(みめぐりじんじゃ)は、東京都墨田区向島に在る神社である。祭神は宇迦御魂之命(うがのみたまのみこと)。
倉稲魂命(宇迦之御魂神)を祀る。かつては田中稲荷と称した。創立年代は不詳。
伝によれば、近江国三井寺の僧源慶が当地に遍歴して来た時、小さな祠のいわれを聞き、社壇の改築をしようと掘ったところ、壺が出土した。その中に、右手に宝珠を、左手にイネを持ち、白狐に跨った老爺の神像があった。このとき、白狐がどこからともなく現れ、その神像の回りを回って死んだ。三囲の名称はここに由来するという。
元禄6年(1693年)、旱魃の時、俳人其角が偶然、当地に来て、地元の者の哀願によって、この神に雨乞いする者に代わって、「遊(ゆ)ふた地や田を見めくりの神ならは」と一句を神前に奉ったところ、翌日、降雨を見た。このことからこの神社の名は広まり、京都の豪商三井氏が江戸に進出すると、その守護神として崇め、三越の本支店に分霊を奉祀した。
東京都墨田区向島2丁目5-17