立山(たてやま)は、飛騨山脈(北アルプス)北部に位置する標高3,015mの山。雄山(おやま、3,003m)、大汝山(おおなんじやま、3,015m)、富士ノ折立(ふじのおりたて、2,999m)の3つの峰の総称。
立山は、古くから立山修験と呼ばれる山岳信仰の場であり信仰の対象であった。開山縁起に神々が種々の姿で現れ実は阿弥陀如来であったとあるように神仏混淆である。立山山麓には、芦峅寺(あしくらじ)、岩峅寺(いわくらじ)の二つの拠点寺院がある。雄山神社の主神は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、本地仏は阿弥陀如来で、不動明王を本地とする手力雄命(たぢからおのみこと)を副神とする。立山本峰の雄山に峰本社があり、山麓芦峅寺の中宮(祈願殿)、岩峅寺の麓大宮(前立社壇)とともに、三者一体の形を有する。峰本社を見上げる室堂平には参籠の場として建てられた室堂が復元されている。[20] 古代には立山権現として、平安時代からは地獄極楽のある山として阿弥陀信仰と結びついてきたという変遷が見られる。
富山県中新川郡立山町芦峅寺