方広寺(ほうこうじ)は、静岡県浜松市北区(旧引佐郡引佐町)にある寺院で臨済宗方広寺派の本山である。山号は深奥山で、正式には方広萬寿禅寺と称する。別称、奥山半僧坊。本尊は釈迦如来。
1371年(建徳2年)この地の豪族奥山朝藤の開基により、後醍醐天皇の皇子無文元選を開山として創建された寺である。1587年(天正15年)後陽成天皇の勅願所となり、江戸時代には江戸幕府から朱印状が与えられている。
明治に入り臨済宗南禅寺派に属していたが、1903年(明治36年)独立して臨済宗方広寺派の本山となった。なお、この寺に祀られる半僧坊権現は開山の無文が中国の元から帰国する際、悪天候の中、無文の乗った船を守護したとされる神である。
裏参道にある「延命半僧杉」がパワースポットとして注目されている。小さな杉の切り株で、明治14年(1881年)、奥山大火の難を受けた後、幹の中が炭化したまま再生し130年以上の時を生き続けた。
表参道にある石橋と五百羅漢は、宝歴年中、三河の石匠親子ニ代によって作られ、明和7年に完成。橋の上の羅漢様の数が見るときによって変わるという。また、方広寺の鎮守様である「奥山半僧坊」の化身といわれる「半僧杉」がある。
静岡県浜松市北区引佐町奥山1577-1