西巌殿寺(さいがんでんじ)は、熊本県阿蘇市黒川にある天台宗の寺院。山号は阿蘇山。古くから阿蘇山修験道の拠点として機能し、九州の天台宗の中で最高位の寺格を持つ寺院のひとつである。
本堂は2001年に火災で焼失し礎石のみ残るが、山門をくぐり石段を登った本堂跡には阿蘇檜や公孫樹の古木が見られる。周辺には僧坊跡が点在し、多くの文化財が保管されている。
阿蘇山西巌殿寺では、毎年4月13日に「阿蘇山観音祭り」が行われる。修験者による火渡り、湯立の荒行が執り行われる。開催日は明治時代の住職である厨亮俊の命日に因む。
昭和50年代に当時の住職により、厨亮俊の慰霊祭である招魂祭にあわせて、火渡り、湯立て等の荒行を修験者が行う祭りを合わせて行うようになり、名称も「阿蘇山観音祭り」と改めた。
阿蘇山火口近くには奥之院が鎮座する。噴火を続ける阿蘇山の火口にありながら、これまで壊滅状態になったことのない西巌殿寺は厄除けのご利益もあるとされている。
熊本県阿蘇市黒川1114