ルルドの泉は、フランスの南西部のオート=ピレネー県の小さな町ルルドにある、聖母マリアが現れ示したという奇跡の泉。その泉から湧き出る水には、どんな不治の病をも癒す力が秘められてるといわれて、「奇跡の水」を求めて世界中の信者が訪れる地となった。
聖母マリアが出現したとされるのは、1858年2月11日。村の14歳の少女ベルナデッタ・スビルーが郊外のマッサビエルの洞窟のそばで薪拾いをしているとき、初めて聖母マリアが出現したといわれている。読み書きもできない少女が知るはずもない言葉で聖母を表したことから、周囲も聖母出現を認めた。
「聖母」はベルナデッタに「泉に行って水を飲んで顔を洗いなさい」と言ったが、近くに水が無かったため、近くの川へ行こうとした。すると「聖母」が「洞窟の岩の下の方へ行くように指差した」ところ、泥水が少し湧いてきており、次第にそれは清水になって飲めるようになった。
現在では、ルルドの聖母の大聖堂が建っており、気候のよい春から秋にかけてヨーロッパのみならず世界中から多くの巡礼者がおとずれる。マッサビエルの洞窟から聖母マリアの言葉どおり湧き出したといわれる泉には治癒効果があると信じられている。「奇跡的治癒」の報告は多いが、中にはカトリック教会の調査によっても公式に認められた「科学的・医学的に説明できない治癒」の記録さえ数例ある。カトリック教会が「奇跡的治癒」を認めることはまれであり、認定までに厳密な調査と医学者たちの科学的証明を求めている。
フランスオート=ピレネー県ルルド
水 流体、無定形の物、流動的な性質、変化に対して適応する性質です