システィーナ礼拝堂(しすてぃーなれいはいどう、Cappella Sistina)はサン・ピエトロ大聖堂に隣接し、バチカン宮殿内に建てられた礼拝堂。ミケランジェロが描いた創世記などの大天井画、最後の審判の壁画で有名。教皇を選出するコンクラーヴェの会場としても知られている。
シクストゥス4世の甥にあたるユリウス2世は1506年、ミケランジェロに天井画の制作を命じた。この注文は彫刻家を自任するミケランジェロにとって必ずしも本意とするところではなかったが、1508年にフレスコ画の制作を開始した。堂内に足場を組み、横になりながらの制作で、助手の手際が気にいらず結局一人で作業を続けていった。1512年に完成し、ミケランジェロの代表作のひとつに数えられる。天井部中央の旧約聖書『創世記』の9場面、天地創造、楽園追放、大洪水などが、祭壇から後陣にかけて配列される。ただしその配列は必ずしも創世記の時系列とは一致しない。四隅には旧約聖書の場面が描かれ、これにはネオプラトニスムからミケランジェロが摂取した四大の思想など、古代ギリシア自然哲学の影響も指摘される。また創世記の場面を取り囲むようにして、キリストの先祖であるユダの王たち、また旧約と古典古代の巫女たちが描かれる。
この天井画はその制作途中を覗き見たラファエロにも強い影響を与え、彼が当時描いていたバチカン宮殿・署名の間の壁画「アテナイの学堂」のタッチには、ミケランジェロの影響の跡が指摘される。
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