田沢湖(たざわこ)は、秋田県仙北市にある湖。日本で最も深い湖である。
田沢湖抱返り県立自然公園に指定。日本百景。
田沢湖周辺には、水をがぶ飲みして龍の体になった辰子と八郎がやがてめぐり合って夫婦になったという「辰子姫伝説」がある。
その昔、神成沢というところに辰子というとても美しい娘がいた。辰子はその美しさを永遠に保ちたいと思い、秘かに大蔵観音に百日百夜の願掛けをした。すると満願の夜に「北の山を越えたところに湧く泉の水を飲めば願いは成就する」とお告げがあった。そこで辰子は言われたように北の山を越え、お告げの泉を見つけた。
手にすくい水を飲むとどうしたわけか喉が渇き、飲めば飲むほど喉が渇くので、泉に口を着け飲み干す勢いで飲み続けた。気づけば辰子は大きな龍になり、地鳴りとともに山は崩れ深い湖ができた。これが田沢湖で、龍となった辰子は田沢湖に住んだ。
三湖伝説のこれより前の話で龍となったマタギの八郎太郎は、十和田湖で南祖坊に敗れた後、男鹿半島・八郎潟の主となっていた。八郎太郎は辰子姫の美しさを知り、田沢湖に会いに来る。二人は結ばれますが、その後同じく辰子姫の美しさを聞いた南祖坊が訪ねて来たため、今度は辰子姫をめぐって八郎太郎は再度南祖坊と争うことになった。
今回は八郎太郎が勝ち、毎年冬になると八郎潟からこの田沢湖にやってきて2人で過ごしていた。田沢湖が冬でも凍らないのは、2人の愛の為だという。
なお、湖の北岸にある御座石神社には、辰子が竜になるきっかけとなった水を飲んだと言われる泉がある。
田沢湖の湖畔には辰子伝説にまつわる像が4体あり、漢槎宮近くにある舟越保武作の「たつこ像」の他に、湖の東岸にある「辰子観音」、北岸にある「姫観音像」、御座石神社境内にある「たつこ姫像」がある。
秋田県仙北市