楯築遺跡(たてつきいせき)は、岡山県倉敷市矢部の丘陵上にある弥生時代の墳丘墓。楯築墳丘墓ともいう。双方中円墳である。古くは片岡山古墳と呼ばれていた。国の史跡。
奇妙な形の岩が円状に並ぶストーンサークルとしても知られている。
この「楯築弥生墳丘墓」は、総数60基にも及ぶ古墳群からなる楯築遺跡の中心とも言える。真上から見るとリボンのような形をした双方中円墳と呼ばれる墳墓で、円墳部の直径約43m、双方部を含む全長約72mと、弥生時代後期の古墳としては日本最大級である。
発掘された全長約2m・全幅約0.7mの木棺内部には、鉄剣、首飾り、翡翠の勾玉、ガラス玉などの副葬品とともに、30kg以上もの朱(丹、硫化水銀)が敷かれていた。
吉備津神社や鬼ノ城など、周辺には温羅伝説(桃太郎のモチーフとされる渡来人伝説)にまつわる史跡が多数残っており、「楯築」という地名も、吉備津彦命が温羅との戦いに備えて巨石の楯を築いたことに由来する。
ストーンサークルの中心には、大正時代の初め頃まで「楯築神社」が存在し、ご神体として「亀石」と呼ばれる謎の石が祀られていた。現在では、小さな祠が残っている。
「亀石」(伝世弧帯文石〈弧帯石〉)は、国の重要文化財に指定され、墳丘を少し下った場所にある収蔵庫の中で保管されている。
岡山県倉敷市矢部